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2025/2/13 相反する

更新日:2月14日

 以前、“相反するものを、同時に心がける”と朝日新聞の「ひらり一言」に加藤登紀子さんが寄せていました。

 “相反するものを同時に表現すると人々は魅力的に映るらしい”との思いがあります。

 一昨年亡くなった坂本龍一(現在、東京の現代美術館にて展覧会が開催中)と、この方も亡くなってしまった忌野清志郎がヒットさせた「いけないルージュマジック」。この歌のタイトルは化粧品会社の要望では、素敵なルージュマジックだったそうですが、このお二人がこのタイトルでは満足せず「いけない」の言葉を譲らずタイトルとなった経緯があるとのことでした。ご存じの通りこの曲は大ヒット。製紙会社のティッシュ(以前であれば鼻紙でしょうか?)のキャッチコピーを「鼻セレブ」としたことで人気商品になりました。

 相反するもの、あるいは異質なものを結び付けることで魅力が生まれるという事は、彫刻作品にも見られます。異形と呼ばれる仏像たちはその最たるものかと思います。多くの人々を1000年以上にわたって魅了し続けている阿修羅しかり、十一面観音しかり、千手観音しかり。こうした異形が生まれてくる背景には已むに已まれぬ人々の願い、思いがあり、それを形として表出し表現したことが、人を惹きつけ魅了するものとなり永遠性を帯びていったのではないかと思います。

 「芸術は長く人生は短し」とは坂本龍一が好んだ言葉であり、現代に生きた坂本龍一も音楽を通じて自らが思う変わらぬものを求め続けていたのだと思いました。東京都現代美術館で開催中の展覧会は「音を視る 時を聴く」と想像を働かせるタイトルとなっています。


 


 
 
 

コメント


​ 土偶、エジプト壁画・彫刻、ギリシア彫刻、キリスト像、マリア像、肖像画・・・太古より人はいろいろな人物を様々な表現方法で試みて来ました。そこで、今回は当美術館で収蔵する人物表現を中心に、作家十人を選び展覧会を開催する運びとなりました。

 伊東深水の美人画、沓掛利通、櫻田晴義、荻野幹の裸婦、有賀温、瀬川康男、中村直人の女性像、米津福祐の群像などそれぞれの作家が人物に託した思いを感じ取っていただければ幸いです。元館長の大井喜久、現館長の間島博徳の作品も展示致します。

0268-49-3838

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