当館収蔵の「石工」「父子」の作者中村直人(なかむらなおんど)の「蚕神の像」が上田市の玄関口上田駅に設置されています。(場所は、改札口を出てお城口に出ていく自動ドアのわきに設置)ところが、しばらく前に、駅舎内の壁の色を上田城をイメージした黒い壁にする工事がありその工事が終了すると、像がもとあった場所に設置されておらず、どうしたのだろうと思っていました。先日、所用があり東京へ行く機会がありました。行くときは、新幹線の時間もあり気が付かづにいたのですが、帰り際ふと壁を見ると像が戻っているではありませんか。嬉しくなり、思わずカメラに収めたのでした。高さ50㎝ほどの小さなレリーフ状の作品なのですが、蚕都上田を象徴する像です。昭和25年の上田駅舎の改装工事終了の折に中村直人本人から寄贈されたようです。設置理由については、駅舎の壁にプレートが用意されています。像そのものについては、大きさであるとか、半立体であることを考えると、いくつか鋳造され、この地域に住む養蚕業にかかわる関係者の方々に配布したか頒布された可能性もあるのではないかと思うのです。この像がつくられた経緯は想像するしかないですが、配布なり頒布されたのであればどのような方が手にしたのか、どのような場所に置かれていたのか当時の蚕都上田に思いを巡らすことになるのではと思いました。
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