彫刻家石井鶴三、随筆家白洲正子が訪れた青木村。鶴三は大法寺の十一面観音の造形美に魅了され、十一面観音が大好きな白洲正子も当然この仏像見たさにこの地を訪れたのだろうと思います。大法寺の住職さんは白洲正子とはいろいろとお話もされたそうで羨ましい限り、私も生前の白洲さんにぜひお会いしたかった。
青木村は画家もその風景に魅了されています。晩年療養に訪れた山本鼎を始め、当村出身の画家沓掛利通しかり、近隣に住む生島潔しかり、移住しその山容を版画としてとどめた斎藤隆夫。ある陶芸家は青木村に触発され題名を青木そのもの「青木壺」と題した作品を作陶しました。
館長就任時、収蔵作品の台帳を見ていると、青木三山(子檀岳・夫神岳・十観山)、三重塔を描いた日本画、版画、水墨画があり、さらにレリーフもありました。郷土美術館にふさわしい作品の数々。これらの作品を集めた展覧会を開催できるのではと思いました。今回は、さらに小県上田の風景も加えコレクション展を開催しようと考えています。
同じ夫神岳でも作家によって受け止め方は異なり、その表現方法も異なります。作家それぞれの観方・感じ方の違いをご覧いただくよい機会になるかと思います。 “みんなちがってみんないい”そのような展覧会になるよう準備を進めています。
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